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世の中ね、顔かお金かなのよ!

ブログタイトルはこんな(回文)ですが、恋愛や人生の指南はしません(できません)。砺波湊の短歌メインなブログです。

えーと、高瀬賞というのは
「短歌人」会の新人賞というカンジです。

>会員1・2欄所属者対象。未発表新作十五首公募。
>毎年2月下旬頃締切、7月号誌上発表。選考は編集委員会。
>賞の名称は、1966年から85年まで「短歌人」編集発行人を務め、
>2001年他界した故・高瀬一誌氏の業績を記念してのもの。
http://www.tankajin.com/prize.html
(短歌人・公式サイトより↑)

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第七回高瀬賞 受賞作 「雑踏のなか」 砺波湊


毒持つと知りてその下くぐるときエンジェルス・トランペットの白さ

二粒のしずくがひとつになるようなキスを追い越す雑踏のなか

アスファルトの上のクリップかがやきの分だけ同化を拒まれている

スモーキング・エリアに集う人々は雨宿りに似た顔つきをして

「健康を害する恐れがある」という文字は年々育ちゆくかな

吠えながら来たる地下鉄 めいっぱいチューブのなかに光を満たし

気がつくと隣の席に過積載で捕まりそうなまつ毛の二人

「跪きすぎて折ったの」膝なでる元風俗嬢のつけ爪に星

りんかい線東雲を過ぎつみたてのジェンガのようなマンションの群れ

ブックオフで文庫を選べばタイトルの思い出せない曲が流れる

飽きられたヒットソングに科せられるオルゴール調アレンジの刑

そんなには淋しくないと『はじめてのあみぐるみ』なる本を戻した

晩秋の梢のようなベランダだベージュの下着ばかりが揺れて

神のごとムダと断じて職人の手つきでその毛をことごとく剃る

風呂に入り呻く身体を持つならば口角くらいは常にあげとく

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「短歌人」掲載の短歌 2007年後半

7月号~12月号まで

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「短歌人」掲載の短歌

2006年11月号(入会)~2007年6月号まで

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