世の中ね、顔かお金かなのよ!

ブログタイトルはこんな(回文)ですが、恋愛や人生の指南はしません(できません)。砺波湊の短歌メインなブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「短歌人」掲載の短歌 2007年後半

7月号~12月号まで

-------------------------------
12月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

知らぬ間に貼りかえられた手配犯のポスターの四隅にピカピカの鋲

「美人系」「マストなアイテム」「指名買い」金科玉条まばゆく満ちて

月の光がすべてのものにしみているなかにて終わるカフカ『審判』

「犬のようにくたばる!」と叫び終幕すKの人生とカフカの『審判』

上映中の映画館から出る気分いま見てた夢をおぼえていない

二度寝すると決めた瞬間まなぶたにヨナの見つめた闇が迫れる

-------------------------------------------------------------

11月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

「本当に削除しますか? はい/いいえ」二度も真意を確かめられて

暗がりでケータイメールを打つ少女 彼女も蛍を飼えるひとりか

新品のウェッジソールを履く脚に無傷の足が見えず哀しき

「玉屋」とう由来の説けぬ我といて幾度も「玉子」と叫ぶ三歳

噴水は最後の雫を吐き終えて埃の浮かぶ水面を晒す

泣いている女優もわたしも一様にいま貫いてゆくニュートリノ

-------------------------------------------------------------

10月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

曲がり角で食パンくわえた美少女とぶつかることなく春は過ぎゆく

委員長の「ちょっと男子!」というときの声を五線譜に写し取りたい

「ここまではいいか」の範囲ジワジワと拡げてついには大人になった

昇降口に下駄箱ならぶ仄暗く小さな洞をいくつも抱いて

午後七時午睡の夢の続編の花火はじまるビルの向こうで

ひとつぶの火の粉が天へ還るような花火の上をよぎる飛行機

-------------------------------------------------------------

9月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

メール待つ我の窓辺にささがにの窓拭きびとが降りてくる午(ひる)

東京タワー見上げた視線を下ろすときつま先までも空は迫れり

安心はウェットティッシュの形して潜んでおりぬカバンの底に

夏蝶はおとめらの背を好むらしサンシャイン通りにタトゥ溢れて

いくつかのスイッチを切った顔ならぶ古川歯科の待合室に

「要するに、私は苦しみ、そして死ぬ」獅子文六のことば美し

-------------------------------------------------------------

7月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

お天気の話ばかりする大人達を憎んでた頃の文集ひらく

箱舟は置き去りにされいつからか「国際フォーラム」と呼ばれ始めた

ちはやぶる神木隆之介の変声期二〇〇六年の春に了りぬ

合コンのメンバーを何度数えても奇数になりたるほどの哀しみ

ボクサーは幼虫を吐くと信じてたマウスピースを知らぬあの頃

池袋のオベリスクとしてゴミ処理場煙突は立つ 赤い目を持ち
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。