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「短歌人」掲載の短歌 入会~07年6月号
「短歌人」掲載の短歌

2006年11月号(入会)~2007年6月号まで

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6月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

・二万円の水飲む男「産む機械」と言いし男を助ければ、春
・紙飛行機 メール送信の二秒間液晶画面を軽く舞いたり
・夜桜は赤信号にも似合うこと気付いて楽しむ信号待ちを
・いつまでも進歩せぬ傘 人は皆あがれば雨を忘れてしまう
・ロベルトはあまたおれどもドイツには脊髄癆にて死にしシューマン
・一斉に菱沼時計店の奥竜頭は軋みて夜明けを告げる

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5月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

・ウチってさフクザツなのよ 嬉々として横溝ばりの家系図を書く
・汐留は渓谷ガラスで作られた行き交うスーツ姿のハイカー
・うまさけの三輪宴里とゆく秋葉原 ガチャポンは楽しメイド喫茶も
・エアカーもタイムマシンもまだだけどガールズブリーフは在るこの世紀
・ときどきは裏切りに遭うあとは「様」を書くだけなのにインクが切れた
・人絹となまぬるき名をつけられて抗うように散らす静電気

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4月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

・父の語る故郷を馬車が駆けてゆく 時は大正、舞台は神田
・九段まで来たなら馬車をおりて押せ 紙の重さに舌打ちしつつ
・ヒーローのかん高き声知らしめたトーキー憎む少年もいて
・「ヨシ」「ダメ」と審判の声響くとき野球は退屈 ましてや国も
・球場が芋畑に化けたことを知り復員兵ははじめて泣いた
・祖父の名は留三一つ歳下の弟、捨吉 笑い話ぞ

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3月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

午前四時少し手前にガスの火の青さは一番きれいに揺れる
あおによし奈良美知の描く子ら黒豆の汁のひとみ光らす
「公園のホームレスの家」あっ矛盾。それでも家と呼ぶほかなくて
サスペンスドラマを愛する祖母曰く先週だけで9名の死者
「逃亡者おりん」の足が鈍きこと一家で気を揉む師走であった
  ルビ:逃亡者=のがれもの
シェフの顔ピーター・フォークに似ておればやましくなけれど居心地悪し

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2月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

本を胸にフローリングに寝転がる煮こごりめいた夕日を浴びて
編み込みの美(は)しきケニアの娘らが文京区駆け抜ける祝日
呼吸するように請求書を発行する もちろん黒のソックス履いて
手軽とははかないことだRe:がふえて戻ったメールを暫し眺める
降りはじめの雨の模様だ 駅前でガムだったものを見下ろす午後だ
  畠山綾香さん(享年九歳)
雪どけの水に浮かんで見る夢は大人買いしたポケモングッズ

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1月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

《この冬をブーツで制覇!》ファッション誌開戦前夜のようなきらめき
ぬばたまのゴスロリ少女咲きほこる表参道木漏れ日のなか
雨の夜の団地以上に侘しげなものを今年はまだ見ていない
通り魔に斬りつけられることもなくただいま帰りました、家族よ
見てみたいさっきニュースで言っていた「バールのようなもの」の実物

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12月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

・「つつましい」石田衣良なら言うだろう そんな胸でも張って出発
・誰しもが残酷になる カフェラテに描かれたハートを崩すその時
・YouTubeの《search》ボタンを押しただけ 夕焼けの赤は濃くなっていく
・死の裏にさんま、さんまい並んでたぼんやりめくる辞典のなかに
・蛍光ペン引いてその後忘れゆく単語を白く月が照らせり
・あの3が4になったら目を閉じるつもりで見ているデジタル時計

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11月号 会員2欄掲載 以下6首 砺波湊・作

・クリスマスに向かい浮き立つ雑踏にまぎれていられることの幸せ
・娘だった頃の話をする祖母は干菓子のような笑みを浮かべて
・大江戸線ホームに降りてゆくあいだ二回くらいは転生しそう
・背を丸め化石になろうとするように地下街のすみ眠るおじさん
・こわいもの知らずみたいに自転車をこぐなら荷台に乗ってあげるよ
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[2008/12/28 19:07 ] | 短歌(砺波湊作)
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