世の中ね、顔かお金かなのよ!

ブログタイトルはこんな(回文)ですが、恋愛や人生の指南はしません(できません)。砺波湊の短歌メインなブログです。

「歌合ってなに?」という方は、まずはこちらの記事→ からどうぞ!

【東】
枯れたシャワー枯れたひまわり日の盛り亡びるまでのあなたのいのち
(ユキノ進)


【西】
ひさしぶりねぶそくまぶしい熊蜂のつぶやきどこまでも遠いまま
(やすたけまり)


両チームの推薦文、勝敗は「続きを読む」をどうぞ。
(全文を読む前に、ご自身で感想や勝敗を考えておかれると面白いと思います!)




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東チーム【方人】:ユキノ進さん
東チーム【念人】:鈴木麦太朗さん



枯れたシャワー枯れたひまわり日の盛り亡びるまでのあなたのいのち
(ユキノ進)


 次に続く言葉へと韻律・意味・情景でつながりながら、流れるように詠まれているところがすばらしいです。
 初句・二句では、それぞれに別の意味を持たせながらの「枯れた」のリフレインが心憎いです。同時にシャワーとひまわりのビジュアル的な類似もあってこれだけでも十分に抒情を堪能できるというものです。
 二句から四句にかけては「ひまわり」「日の盛り」「亡びる」という《は行》の頭韻が心地よいです。そして「盛り」「亡びる」という対比する言葉を並べているのも効果的です。意味的には「枯れたひまわり」という静的なものを捉えているのですが、「盛り」「亡びる」によってひまわりが豪奢に咲いてそして枯れてゆくまでの動的な情景までもが見えてくるようです。
 初句から四句までの韻律と情景によって編まれた脈流を、結句の「あなたのいのち」で受けとめています。命の儚さや切なさというところを越えて、一滴の水を渇望して悶えているような激しさを感じます。「あなたのいのち」は《わたしのいのち》と読み替えても良いでしょう。そしてこの歌は《わたし》すなわち作者の生き様を反映した魂の歌として読む者のこころをゆさぶるのです。
(鈴木麦太朗)


新潟で『空き瓶歌会』という歌会を主宰していましたユキノ進です。
新潟では山田富士郎さんを中心にした超結社の歌会にも参加していました。
転勤でこの春東京に戻り、短歌ではどこにも所属していません。
よろしくお願いします。
@susumuyukino

◆ 鈴木麦太朗です。未来短歌会笹公人選歌欄所属。
ツイッター( @mugitauros )、ブログ( http://blog.goo.ne.jp/yuaruhi/ )。
この度は黒崎聡美さんにお声をかけていただき参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

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西チーム【方人】:やすたけまりさん
西チーム【念人】:黒崎聡美さん



ひさしぶりねぶそくまぶしい熊蜂のつぶやきどこまでも遠いまま
(やすたけまり)




「熊蜂」とは大型の花粉を集める蜂で毛に覆われており、虫を食べ毛のないスズメバチとは異なります。そんな熊蜂のつぶやきが主体にとってはどこまでも遠く感じられる。

上の句全体が熊蜂のつぶやきで、「ひさしぶり/ねぶそく/まぶしい」とつぶやいているのでしょう。

でもひらがな表記ということもあり「ひさしぶりね」と主体に問いかけているようにも感じられます。また「くま」ともつぶやいているようです。そのようなつぶやきの重なりがとても良いと思いました。

つぶやきって、あまり意味のないことをぽつぽつ口から出てしまうもので、まわりからすると脈絡もわからなくて、その感じがよく出ていると思います。

つぶやきを遠くに感じる主体はまどろんでいるようで、そのことと「遠いまま」という言いさしの結句、そして熊蜂がいるということはそこに花も咲いているということ、それらから夏の永遠性も感じられました。

熊蜂は「ひさしぶりね」と言っているのに主体は遠く感じてしまう閉塞感がやわらかく表現されています。

例えば「蜜蜂」ではもっとうるさい感じになってしまうので、この歌では「熊蜂」というのがとても効果的です。
(黒崎聡美)


◆ やすたけまり
未来短歌会 加藤治郎選歌欄所属。
歌集『ミドリツキノワ』(2011年 短歌研究社)
blog「すぎな野原をあるいてゆけば」http://blog.goo.ne.jp/sugina-musicland
twitter @sugina_01092
ネットプリント『月刊ミドリツキノワ』は、発行時に上記のブログ・ツイッターでお知らせしています。どうぞよろしく。

◆ 黒崎聡美
ケータイ短歌等への投稿を経て、2009年「短歌人」入会。
blog「ゆびおり短歌」 http://blog.goo.ne.jp/imaitanka

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【判者】:白石瑞紀さん

勝敗をつけるのはなかなか難しいことでしたが、西チームの勝ちといたします。

ちょっと不思議な感じの歌だなあと思ったのですが、念人の黒崎さんの丁寧な鑑賞で
「ひさしぶり」「ひさしぶりね」や「ねぶそくまぶしい」のなかの「くま」と「熊蜂」の「くま」の重なりの発見し、
この歌の魅力が見えました。

他にも
「つぶやきって、あまり意味のないことをぽつぽつ口から出てしまうもので、・・・」
「熊蜂がいるということはそこに花も咲いているということ、それらから夏の永遠性も感じられました。」
など「なるほど」とうなずく所がありました。

それからこの歌は、一般的な「夏」のアイテムを使わずに「夏」を感じさせたところもいいと思いました。

実は、最初に歌を読んだとき、好みだなぁと思ったのは東チーム(ユキノさん)でした。

歌会でこの歌に出会ったら、間違いなく○をつけます。いい歌だと思います。
念人の鈴木さんも韻律のことや情景、そこから作者の側に踏み込んで丁寧に鑑賞されていて、とても勉強になりました。
ただ、何度も歌を読み返していくうちに、「枯れた」「日の盛り」「亡びる」「いのち」という言葉がくどいように思われて、

結句の「あなたのいのち」がどーんと重たくなってしまいました。
(白石瑞紀)

塔短歌会の白石瑞紀です。猫とチョコレートが好きです。
  twitterアカウントは@mi_shir です。

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以上の結果となりました。
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